やはらかに柳あをめる
この一節をなぜか覚えていますが、春の訪れを喜ぶ詩歌の出だしだとばかり思っていました。
今回調べてみたら、石川啄木の歌集「一握の砂」に所収された短歌の一・二句でした。
やはらかに柳あをめる
北上の岸辺目に見ゆ
北上の岸辺目に見ゆ
泣けとごとくに
この歌の前には、下の歌が載っています。
石をもて追はるるごとく
ふるさとを出でしかなしみ
消ゆる時なし
生活苦に打ちひしがれながら、ふるさと渋民村を偲んだのでしょう。
枝をよく見ると、花が咲いています。しだれ柳は雌雄異花だそうですが、どうも雄花のようです。